クロノグラフとは?
クロノグラフ機能(Chrono Graph)とは、様々な時間を一つの時計で計ることが出来る機能のことを言います。クロノは時計、グラフは記録するを表す言葉で、具体的にはストップウォッチ機能の付いた時計のことを言います。
また、クロノグラフ機能の付いた時計の多くは、秒針が独立して文字盤の中に配置されているのが特徴で、この文字盤の中に秒針が独立して配置されている箇所をインダイアルと言います。
クロノメーターとは?
クロノメーター(Chrono Meter)とは、機械式時計の精度の高さを証明する国際的な規格のことです。スイス公認のクロノメーター検定協会(Controle Officiel Suisse des Chronometres)が実施する、厳しい検査に合格した時計のみこの称号が与えられます。このクロノメーター試験は15日間にも及び、時計の姿勢と温度を変化させ、1日の時間の誤差が-4秒から+6秒以内である事が合格基準とされています。
スプリットセコンドとは?
2本のクロノグラフ秒針によって複数のラップタイムを計測できるクロノグラフのことをスプリットセコンド(Split Second)と言います。
スタートボタンを押すと2本の秒針が同時に動き始め、スプリットボタンを押すと1本の秒針のみが止まり、再びスタートボタンを押すと、もう1本の秒針も止まることで、2つのラップタイムを計測できる機能です。
タキメーターとは?
文字盤やベゼルに記された数値によって、時速や平均速度などが測定できるメモリのことをタキメーター(Tachymeter)と言います。
多くはベゼルや文字盤の外周に細かく数値が刻まれており、測定はクロノグラフ秒針で行います。また、速度のほか熱量の生産量なども計測できるため、モータースポーツや宇宙開発など様々な場面で役立つ機能です。車の平均時速を測定するとした場合、車のスタートと同時にクロノグラフのスタートボタンを押して計測をはじめます。1km地点を通過したところでボタンを押して、針を止めます。この時、クロノグラフ秒針が指し示しているタキメーターの数字が、車の平均時速となります。
GMT機能とは?
GMTとは世界標準時(Greenwich Mean Time)の略称で、24時間針(GMT針)と24時間メモリによって、世界標準時をはじめ、複数の時間帯を表示できる機能のことを言います。1つのリューズで現在の時間帯(ホームタイム)と第2時間帯(ローカルタイム)を操作するものが大半を占めますが、その他にも回転ベゼルで第3時間帯を表示するものや、インダイヤルで第2時間帯を表示するもの、さらには、これら2つの時計を合体させた機能を持つ複合タイプなどがあります。
日本と海外の時間を表示させることができるため、ビジネスマンに人気が高い機能です。
パーペチュアルカレンダーとは?
腕時計においト通常のカレンダー機能だと、月末が30日の場合、翌月の月初めにカレンダーを31から1に修正しないといけませんが、このパーペチュアルカレンダー機能(Perpetual Calendar)を持った腕時計は、月ごとによる日数の違いを自動で調整、また、約4年ごとのうるう年に対応する為に、4年間で1回転する回転盤がついているので、とても便利な腕時計となります。
尚、この機能はカレンダーの調整が必要ないことから、永久カレンダー機能や永年カレンダー機能とも呼ばれています。
ちなみにカレンダーの語源はラテン語で集合する、召集するの意味のCalere。その昔ローマでは、月の最初の日に人々を集めて、その月の休日を知らせていたのだそうです。
ムーンフェイズとは?
ムーンフェイズ(Moon Phase)とは、文字盤上にある小さな窓で月齢表示を表示する機能の事です。ほぼ29.5日周期の月齢を表示する為に59日周期の歯車に月をあらわす円を2つ対象に配置し、半円を組みあわせた形状の窓から見える円の割合で月齢を表します。
ちなみに、ムーンフェイズのフェイズ(Phase)とは英語で、直訳すると「相」と言う意味。
ムーン(月)と組み合わせることで、ムーンフェイズ「月相」「月の満ち欠け」と言う意味を持ちます。
月相(げっそう)とは、月の公転によって、月面のうち輝いて見える部分が変化する様子のこと。
パワーリザーブインジケーターとは?
パワーリザーブインジケーター(Power Reserve Indicator)とは、ゼンマイの巻上げ残量を示す部分のことを言います。ローターの回転でゼンマイが巻き上がる自動巻き式では手巻き式に比べてパワー残量がわかりにくい為、この機能が必要とされています。
【手巻き式時計】
手巻き式とはメカニカル(機械式)時計の基本型で、動力源のゼンマイを手動で巻き上げる腕時計です。現在の腕時計は、ケースの横についたリューズを回して、ゼンマイを巻き上げます。ゼンマイは1500年頃にドイツ人のピーターヘンラインが発明しました。ゼンマイを動力源にした携帯用時計ニュールンベルグの卵がその起源とされます。その後、イギリスやフランスで様々な機構が開発され、16世紀末に小型化された懐中時計となり、1810年にはブレゲが小型時計に金属チェーンをつけた腕時計を製作しました。手巻き時計は懐中時計で確立された技術で、シンプルな構造から小型軽量化ができ、故障の少ないのが特徴となっています。初期の時計は1回の巻上げで2〜3日しか動くことができませんでしたが、現在では10日間動く時計も製造されています。
【自動巻き式時計】
自動巻き式とは、時計の基本構造は手巻きとおなじで、ゼンマイをローター(回転錘)で巻き上げるシステムを採用しています。ローターは通常、ゼンマイを収納している香箱車の上にあり、時計を装着した腕を振ることで回転します。その回転力でゼンマイを巻き上げるのが自動巻きのシステムです。この基本システムは18世紀に老舗ブランドであるペルレの創始者アブラハムルイペルレが発明し、パーペチュアルと呼ばれました。しかし、当時は懐中時計しか存在しなかったために、ローターを回転させるには時計を振り回さなくてはならずに不評、腕時計が普及し始めた1920年になってイギリスのジョンハーウッドが腕時計に採用。腕に装着していれば、リューズを巻き上げなくても動きつづける便利なシステムは、瞬く間に腕時計の主流となりました。
回転べゼルとは?
ベゼルとは風防を取り囲む部分のことで、腕時計の多くはケースと一体になっている為、動かすことはできません。
しかし、GMTやクロノグラフなど、様々な特殊機能を持つ時計には回転ベゼル(Rotaling Bezel)が用いられます。
主な種類として、GMTや航空計算尺付きの時計に用いられる双方向回転式ベゼルと、ダイバーズウォッチなど、水中での誤差防止用に開発された逆回転防止式ベゼルとがあります。
【双方向回転式ベゼル】
左右どちらにも回転するベゼル。航空用コンピュータとも呼ばれ、このベゼルを利用して現在の速度や上昇速度、飛行距離、目標高度への到達時間など様々な計算を行うことができます。
【逆回転防止式ベゼル】
主にダイバーズウォッチに使用されており、左回りにしか回らないようになっています。これは、潜水中に誤ってベゼルが逆に回ってしまうことで経過時間を間違えるという事故を防ぐ為です。潜水前に分針にベゼルの0を合せて潜水すると、ベゼル部分の表示で潜水時間が計測できるようになっています。
ワールドタイム表示とは?
ワールドタイム表示とは、ユニバーサルタイムコーディネイテッド(Universal Time Coordinated)機能の一つで、世界の主要都市の時刻を把握できる表示機構のことです。メカニカル式では、
オリエントのキングマスターに代表される回転ベゼルによるものや、オーデマピゲのメトロポリスに代表されるインダイヤル方式などがあります。クオーツ式では様々なタイプがあり、サマータイム表示に変更できるモデルも多く存在します。
レトログラードとは?
レトログラード(Retro Grade)とは、18世紀末頃に考案された、機械式デジタル技術の一つで、通常の時計は指針が回転を続けますが、レトログラードは一定の所まで進むと瞬時に元に戻ります。
この機能を分針に採用したものを「ジャンピングアワー」及び、クロノグラフの秒針に採用した場合は「フライバック」と呼びます。
19世紀初頭には、この機構を使ったデジタル表示タイプの機械式時計も誕生しました。
トゥールビヨンとは?
トゥールビヨン(Tourbillon)とは、時計の向きによる誤差を自動的に修正する機構で、18世紀末にブレゲが発明しました。
基本的な原理は、時計の使用状態が縦か横かで歯車にかかる重力が見妙にかわり誤差が生じ、それを補正するために横向きを基本に、縦向きの時に誤差を修正する装置です。非常に細かい複雑な機構で、高級な精密時計にのみ搭載されています。
ちなみにトゥールビヨンはフランス語で、直訳すると「渦(巻)」「疾風」と言う意味です。
ミニッツリピーターとは?
ミニッツリピーター(Minutes Repeater)とは、18世紀末ブレゲが発明した機構で、時間、分、の音階を別々の音階で鳴らして、各音階の音の回数で現在の時刻を確認できるようにしたものです。元々は風防に蓋をしておく懐中時計用に開発された機構で、蓋をしたままでも、レバーやボタンを操作するだけで、音階の違いによって時間を知ることができました。