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時計屋が欲しくなる時計 天賞堂グランドコンプリケーション

Mixtype No.34 Last Update On 2010-01-12 2009 zakka

時計屋が欲しくなる時計 天賞堂グランドコンプリケーション

Mixtype No.34 Last Update On 2010-01-12 2009 zakka
男にとって、時計は道楽モノのひとつだと思う。だからコレクターとまではいかないが、時計にはこだわりを持ち、お気に入りをいくつか所有している。たびたび手にとっては愛でている。服装に合わせての時計選びも楽しい。そんな折、退職祝いということで娘夫婦から時計をプレゼントされた。

職を離れてから、生活のリズムを作るのに戸惑っている時期でもあったので、これは嬉しい出来事だった。プレゼントされたその時計は、銀座天賞堂のグランドコンプリケーションJALUXオリジナルモデルという代物である。いつか手に入れたいと私が狙っていたのを、彼らは見事に読み切っていた。収集家ならずとも垂涎の時計屋が欲しくなる時計である。しかも文字盤は新たなデザインをまとっていて、一段と洗練されている。最初は眺めながら、ひとり悦に入っていたが、使わずにいるのは失礼というもの。だから、出かける際はこれで決めることにしている。

時計に込められた魂も、私が気に入っている点である。東京は銀座にある天賞堂の社員が、「自分たちが欲しくなる夢の時計を作りたい」という発想から生まれ、高価な機械式時計にしかなかった4つの機能を、高性能なクォーツムーブメントを搭載する事で、より手軽な価格帯で実現し世間をアッと言わせたグランドコンプリケーションシリーズ。この名作の魂を受け継いでいるところが何よりも嬉しい。

「2100年まで年・月・日・曜日を無修正表示するカレンダー」「ムーンフェイス」「クロノグラフ」「ミニッツリピーター」の4つの機能がフェイスにデザインされている。その表情は、誠に格調高く味わい深い。ちなみに現在時刻を音で知らせるミニッツリピーターの音響効果を高めるために、8つのホールが裏蓋に配置されている。クロコ革のバンドも品がいい。つまりこの時計、ケチのつけようがないのである。一生モノとは、こういうものなのだと思う。

「モノに作り手の魂が込められているかどうか?」男の道具としての時計選びには、私なりのこだわりと思い入れがある。時計屋が欲しくなる時計というのが明解で良い。私が欲しい時計と見事に合致していた。そんな思いを察知し、贈ってくれた娘夫婦の目利きの良さを誉めてあげたい。大切にしまうことなく、腕にして一生愛でていきたいと思う。